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  • 執筆者の写真nishida

黒いバーニャ

更新日:2020年10月11日



バーニャっていう言葉。日本ではまだ殆ど馴染みが無いんじゃないかと思うのですが、皆さんはご存知でしょうか? 「聞いて事がある」という意見の方は、案外いるかもしれません。では、バーニャとは何かというと、端的にロシア版のサウナの事であり、ロシア語で風呂全般の事を指します。日本ではサウナというと銭湯にあって浴槽や温泉と一緒に提供されるものと相場が決まっていますが、バーニャのような温浴中心の文化の中では、温浴室と水とシャワーしかないわけです。 更に古代のバーニャになってくると、シャワーも何も無い「黒いバーニャ」といわれる丸太小屋になります。「黒い」のは煙突の無い丸太小屋の中でモクモクと火を焚いて温浴をするからです。 煙突が無いので室内が煤だらけになることから「黒いバーニャ」と呼ばれているわけですね。この黒いバーニャ、写真のような大型のログハウスではなく、小型の(4m×3mくらい)小屋に石積みの竈があって、とは祭壇と腰掛があるくらい。実は個人的に作ってみたい気さえ起こさせるほど簡素な構造もあったりします。

いくつかの種類の黒いバーニャをイラストに描き出してみました。大きく分けて二種類あるかと思います。一つは土や葉を被せるタイプ。もう一つは小屋を作るタイプ。まぁ小屋のタイプの方がより年代的には新しいわけで、煙の流れも小屋のタイプのほうが良さそうなのですが、それでも屋内は煤で覆われてしまうわけです。ただ、これらを自作して使用する分には注意が必要で、煤煙の問題は避けて通れないわけです。結局煙突付きのバーニャが出てきた理由は、煤煙による目や気管支等々への健康被害が原因であるといわれています。実はこうした黒いバーニャに対して、煙突があって煤煙のないバーニャの事を「白いバーニャ」って言ったりするわけです。

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