nishida

2020年11月5日4 分

SFAに参加して

11月1日 東京千代田区にて林野庁主催のイベントSustainable Forest Action 2020 以後SFA2020) のデモが開かれ 森林ファンド」 の提案でエントリーしていた西田林業も参加してきました。
 
エントリー総数11チームの中から、約2か月間をかけてアイデアをブラッシュアップしてゆき11月1日に発表&選考を経て受賞2チームを選ぶというものです。 生憎西田林業の最終案 森トレ) は予選の落ちしてしまいましたが。 受賞したチームには賞金200万円 立上げ経費) が授与されました。 

参加の経緯について
 
今回、この種のコンペに参加した理由としては、私達のような都市近郊林での施業の場合、山林がまとまったボリュームが無い場合が多く 例えばスギヒノキ林が数千ヘクタールあるような生産林) 多くは雑多な樹種が竹林などと共に混成している森林であり、こうした森林を施業する時というのは、クライアントがあって受注事業として執り行う場合が殆どです。 受注業の場合更なる増収増益を目指す時
 
、方法としては 単価を上げる」 か 別の収入を作る」 かどちらかとなります 生産性を上げると価格が下がる事がある

 単価を上げる」 場合、明らかな費用対効果を提示する必要があるのですが 例えば、伐採すると不動産価値が倍になりますとか。 安全性を確保すると物件の価値が高まります。 とか、森林を整備すると獣害対策になって農業被害が10億円分低下します。とか) 今のところお眼鏡にかなうような価値を提案できていない事が多く。単価については頭打ちです。


 
別の収入を作る」 場合ですが。これは事業A 林業) を行う事で、同時に事業B 別事業) で収益が発生し利益としてはA+BではなくABになるようなモデルなのですが。 これを行う林業をシナジー林業と呼んでます。 

 このシナジー林業の方向で何か提案できないかと色々考えて 植林の段階から木材の購入予約券を売買してもらって、その売買の仲介ができれば仲介手数料で増収できるのではないか? 増収分は森林に還元できるし良いかも~」 というアイデアに行きついたのですが。 このアイデアは程なくして瓦解します。 分収林施業ではなく予約券の売買となると金融の領分になってきますし、果たしてこれで儲かるのかどうか?というと、やはり細かな部分でよく解っておらず積算できないからでした。

そんな折、広告でSustainable Forest Actionの広告を目にします。

林業事業者と一般事業者がチームを組んで、メンターの指導の下プロジェクトを実体化させるというもの。 これは今抱えているモヤモヤを解決するのに打って付けではないか小躍りしてエントリーしたわけです。
 

 
都市民の問題を森林でどのように解決できるのか?

短い期間中にアイデアを提案へまとめなければならなかったので、メンターの方には収支お世話になりっぱなしでした。 メンターからの指導の下、森林ファンド案から早々にピポットして投資主体として機能する事業の設立を考え森林でのフィットネス事業を提案する事になります。

その過程でどうにも見えてこなかったのが 都市民の問題を森林でどのように解決できるのか」 というテーマでした。 賞味のところ都市民の問題を森林が解決しなくても、収益構造が多大であれば一部の資金を森林へ回すことが可能なので事実上ファンドとなるわけです。 ただ、どうせなら相乗効果が発揮できる事業提案であれば良いんじゃないかという考えもありました。 つまり、投資が寄付にならないようにするための工夫ですね。 そこで出てきたのが森林でのフィットネス事業 森トレ=森でのトレーニングをインフルエンサーから受けるトレーニング・マッチングサービス) だったわけですが、結局のところ予選落ちしてしまいます。 

 その原因はいくつか考えられますが、フィットネスをやる森林が都市近郊林である事にフォーカスしてしまったことは、敗因と考えても良いように思います。 都市近郊林は林野庁が取り扱うにはニッチ過ぎるのと、やはり森林全体に対するアピールに比べて優先順位が低いですからです。 ただ、森トレが事業として成り立たないかというと、そういう事ではないのですが。 実際のところ未定な部分は多いです。 これはフィットネスがこのプランをどう評価するかということなので、時間が必要な部分もあります。

先にも記述しましたが、都市での問題を森林で解決するために、まず森林にできる事を整理する必要があります。 こう書くとそんなもの既に出そろっていると失笑をかいそうですが。 私はそうではないと考えます。 つまり都市民が抱える問題というのは、ずっと解決しないか、ある種の流行をもって消化されるかどちらかなわけです。 問題が変われば解決の糸口も変わります。常に精査は必要なわけです。 課題としては、今後、林業とシナジーする事業を提案してゆく際、この辺のマップ作りを必須なんじゃないかと思われます。

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